未来の可能性を広げる

好景気に沸くフィリピン経済の波に乗り、自動車用バッテリの金型メーカー Ramcar Technologies 社は急成長を遂げています。

フィリピンの Ramcar Technologies 社は、好調な国内自動車販売の勢いに乗り、セコ・ツールズのサポートを得て新たな時代に向かって加速しています。

1919 年。第一次世界大戦が終結し、フィリピンは 300 年に及ぶスペインの植民地支配から脱却して米国の支配下に入りました。Ramon Caro という野心的な若者がマニラで Caro Electrical Services という自動車電装業を始めたのは、そうした変動の時代でした。新たな事業も軌道に乗り、Caro 氏は自動車用バッテリの製造業に進出しました。社名を Ramcar に変更し、Oriental Battery といフラッグシップバッテリブランドで国内市場に参入しました。

Ramon 氏は、業界トップにのし上がるというビジョンを達成するために、1978 年にフィリピン初となるポリプロピレン製の自動車用バッテリ筐体を導入しました。また、輸入鉛への依存を解消するために、子会社の Philippine Recyclers Inc. 社を設立し、バッテリのリサイクルを開始しました。

また、Ramcar 社は主要競合社の Motolite Battery 社を 1997 年に買収し、市場のリーダーシップを確固たるものにしました。順調に成長を続ける同社は、機械工場部門を Ramcar Technology 社として分離独立させました。これは、新たな会社を画期的なエンジニアリングサービスと最先端の技術開発に専念させるための論理的な判断でした。

Ramcar Technology 社は、新技術に堅実に投資してきました。1989 年、同社は NC フライス加工機と EDM 加工機を購入し、初のコンピュータを導入して図面作成を機械化しました。同じ年、完全な機械工場運用を完成させ、初のプラスチック射出金型を製造しました。

現在、マニラ北部に位置する広大な経済区域の Santa Maria Industrial Park に拠点を置く Ramcar Technology 社は、Ramcar Group of Companies 傘下の他の事業に対してサービスを提供しており、その範囲は、Motolite や Supercharge Batteries などのブランドや、Mister Donut および KFC の現地フランチャイズなど多岐にわたります。

フィリピン経済が好景気に沸く中、自動車販売台数は 2015 年に 23％増加し、Ramcar 社が製造するバッテリの需要も急激に高まっています。

Ramcar 社に勤続 22 年のマネージャ、Noel Jarical 氏は、こうしたポジティブな変化を目の当たりにしてきた人物です。金型設計者として入社した Jarical 氏は、順調に昇進して工具工場の責任者になりました。同氏はビジネスが成長したのは人材と工具の開発に専念し、常に技術革新を模索し続けた結果だと語っています。

同社の投資成果の 1 つとして、セコ・ツールズの Solid ²切り屑粉砕機能付ソリッドエンドミルを利用した粗加工作業の最適化があります。セコ・ツールズの提案に従い、Ramcar Technology 社は、エンドミルを適切に使用するために必要なソフトウェアも購入しています。これらのエンドミルは、さまざまな被削材を切削する際に、チッピング、熱、磨耗へのより高い耐久性を発揮します。

「Ramcar 社は粗加工の最適化戦略について既に把握していましたが、これらの戦略の詳細な仕組みを Solid ²切り屑粉砕機能付ソリッドシリーズを使って完全に理解できたのは 2014 年でした」と、セコ・ツールズのフィリピン事務所代表を務める Ronald Caling は説明します。「私たちは、セコ・ツールズの工具を使用したテクニックを活かせるプロジェクトを伺っていた結果、バッテリの金型キャビティの製造支援を依頼されました。その結果、同社の戦略とセコ・ツールズの工具を組み合わせることで、工程の効率アップを達成できると納得してもらえました」

Mastercam の Optirough と高送り加工戦略を組み合わせることで、Ramcar 社の粗加工工程は従来の 70％まで短縮されました。「Solid ²の導入以来、当社では大幅な改善が実現しました」と Jarical 氏は言います。「40％の効率アップを果たしました」。

現在、Ramcar 社の工具の 90％はセコ・ツールズ製であり、2 社は Ramcar 社が市場の地位を維持できるように継続的に尽力しています。Ramcar 社は、電気自動車向けのより良いバッテリを開発するために研究を進めており、同社と同社を支援する企業にとって、将来のトレンドに遅れないための大胆な一歩を踏み出そうとしています。　

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